STORIES of DoCLASSE VOL.2 UVスラブ

世界をめぐる旅の途中
偶然の出会いから

「こんな所まで来るの、あなた方だけですよ」。より良い素材や生地との出会いを求めて世界中のファクトリーを訪ね歩く私たちは、工房のオーナーやスタッフから時折そんな言葉をかけられます。服地や糸の調達から、なるべく相手の顔が見える直接取引を心掛けている私たちの存在は珍しいようで、驚きながらも嬉しそうに自慢の製品を見せてくれるのです。今回ご紹介する"UVスラブ"と出会ったのもそんな旅の途中、長いドライブの末にたどり着いたファクトリーを見学した時のことでした。

さらりとエレガントで
色柄も美しい
アメリカ向けのドレス生地

工房に入ると目に飛び込んできたのは、多彩にプリントされたアメリカ向けのドレス生地。そっと触れるとさらりと涼やかで、持ち上げると自然にドレープが生まれてエレガント。オーナーによると伸縮性も良く、お手入れは簡単で速乾性にも優れているというのです。これは素敵なものが作れそう！と期待に胸を膨らませながら帰国し、スーツケースの隙間からサンプルを取り出すと、シワひとつありません。さらに専門機関の検査で紫外線を90％以上カットすることも判明。夏向け素材としての優秀さに驚きながら、きっと皆さまにご満足いただけるアイテムになる、と嬉しくなりました。

リネンのような風合いで
ＵＶカットもできる
大人のための夏アイテム

リネンのような自然な凹凸（スラブ感）が陰影を描くエレガントな生地感で、肌に触れる部分が少ないため汗をかいても張りつきにくい。さらに紫外線をカットすることも分かるよう「UVスラブ」と名づけて、皆様のもとにお届けすることになりました。第一弾はギャザーを寄せた上品なデザインで、首や腕の日焼けも防ぐ5分袖のハイネックトップス。これが大ヒットし、さらりと涼しい着心地にファンが急増。シワにならない特性を生かしたボトムスや風をはらむワンピースなど、多彩なアイテムが誕生したのです。

世界にひとつしかない
オリジナルの100柄

もうひとつ、UVスラブの魅力といえば柄の繊細な美しさ。糸の特性上、明るくはっきりと色彩が出るため細い線でもにじみにくく、他の素材では表現しきれない緻密な図案を描くことができるのです。この魅力を余すところなく生かすため、近年では世界中の柄にアンテナを張り巡らせる専門のディレクターが、トレンドに合ったパターンをピックアップ。およそ6000種の中から、ドゥクラッセのお客様に似合う色は？柄の大きさは？と検討や修正を重ね、時にはお客様のご意見をアンケートで伺いながら、約100種のオリジナルパターンをシーズンごとにリリースしています。

トレンドにも着心地にも
しっかり向き合うから
バージョンUPは欠かせません

デザインも豊富で、これまでに発売されたアイテムはトップスだけでも68種類。同じに見えるアイテムでも、実は毎年のように細かく修正を加えているのです。例えば定番のハイネック、当初は衿高が８cmでしたが顎に当たりやすいとのご意見が多く寄せられたことから、現在では5.5cmが主流に。またボトムスは今シーズン流行の柄物が充実。トレンドを一生懸命追いかけなくてもさりげなくお洒落に見える、そんなアイテムを目指しています。